鬼畜幼稚園




第一話 『緑組の問題児』

「はーい、そろそろお昼寝の時間ですよ〜」
 一通りお布団を敷き終え、園児に向かって声をかけるアビァトール先生。
 くびれた腰の当たりが・・・イイ! とても子持ちとは思えない色気だぜ!
 ここはリーザス幼稚園、リーザス町にある幼稚園だからリーザス幼稚園だ!
 もっと詳しく言うと、アリス国キチクオウ県タイリク市リーザス町一―三十九。まっ、そんなことはどーでもいーさ。
「はーい、アビァトールせんせー」
「ふぁぁぁ、あたしねむーい」
 女の子の素直な返事。
「えーっ、まだ眠くないよぅ」
「おい、枕なげしよーぜっ」
「だめだよう、ちゃんとお昼寝しようよー」
 男の子のやんちゃな返事。そんな声に混じって、
「わははは、先生、一緒に寝よー!」
 パンパンと手を叩くアビァトール先生(29)の背後。いつの間にか積み木で組み立てられたピラミッド。
 そして、その頂上には緑色のトレーナーを着たガキ・・・じゃなくてお子様が。
「とうっ」
「ええっ?」
 ジャンプ一番、ボディプレスだ!
 さすがの先生もこれにはまいった。背中に飛びつかれてそのまま布団に、
 ぼふっ
 倒れこむ。
「せんせー、好きだ好きだー、一緒に寝よーよー」
 どさくさにまぎれて服を脱がそうとする子供。おおっと、この年齢にしてブラのホックがはずせるとは・・・
「ちょっ、コラっ、やめなさいランスちゃん!」
 おおっと先生も負けていないぞ、子供の手をとって、
「い? いっ、痛え、くそう〜はなせ〜」
 綺麗に関節が決まってる!
 これは卍固めか? 子供相手にそこまでするか?
 やっとおとなしくなった子供。暴れると余計に痛いから、とりあえずは静かになった。
 まあ、目だけはギラギラ光っているさ。
「ふう、ランスちゃん、いつも言ってるでしょ。人の後ろから飛びついたりしたらだめじゃないの」
「・・・だって、せんせーと一緒にお昼寝したかったんだ」
 ぷくっと頬っぺたを膨らませるランス君(5)。リーザス幼稚園緑組の園児である。
 こうやってじっとしてる限りだと、幼稚園児に見えないこともないね。
「だから、先生はお昼寝はしないのよ。みんなと違って大人なんだから、ね?」
 ランス君はふくれっつらだ。
「じゃあ、俺様もお昼寝しないぞ。アビァトールせんせが一緒に寝てくれなきゃ寝ないぞっ」
「だ・め・よ、ランスちゃん。ちゃんとお昼寝しないとおじいさんに言いつけちゃうぞ?」
「えっ、だ、駄目だ、それは駄目・・・」
 とたんにうろたえるランス君。ちなみにランス君のおじいさんは、ホ・ラガ(61)。
 タイリク市の市長さんで、町一番の物知りさんだ。
 ちなみに菊の花が大好きで、ランス君の家はいつでも花だらけである。
「じいちゃんには、駄目だぞ!」
「じゃあ、おとなしくお昼寝するしかないわね。ほら、もうみんな寝ちゃったわよ?
 ランス君もあいてる布団に入りなさい」
 ランス君はじいちゃんには頭が上がらないようだ。
 ちょっと前に『家族のこと』という作文を作ったんだけど、そのときのランス君の文章を引用。
『俺様のじいちゃんは、じいちゃんは、じいちゃんは・・・ うぎゃーうぎゃー!! うぎゃーうぎゃー!!』
 という、支離滅裂な文章でした。
 それはともかく、ランス君が先生を口説いてる(?)うちにみんな布団にはいってしまった。
「ええ〜」
「いいつけちゃうぞ」
「うっ・・・」
 先生の瞳がマジだ!
 ランス君の本能がこれ以上は駄目だと告げている。
「いいよいいよ、せんせーなんか嫌いだいっ」
(ちょっとおっぱい触れたから、今日はもういいや)
 そんなこんなで布団にもそもそと入るランス君。
 そんなランス君を見て、先生は大きくため息をついた。
 この子は何かにつけてこうだ。やれキスさせろだとか、おっぱい触らせろだとか、
(ほんと、大きくなったらどんな大人になるんだろう?)
 想像もつかない。きっと立派な(?)男になるんだろうけど。
 それにしても、これだけ自分の欲望に忠実な子供は初めてだ。我侭というかマセガキというか・・・
   そんな先生のためいきなんてどこ吹くそよ風、ランス君は、布団の中での一人作戦会議に入ってる。
(おいランス。今日は誰をターゲットにする?)
(うーん、赤組のメナドちゃんはどう?)
(赤組か・・・ リックがいるから手強いな。アイツいっつも俺に絡んでくるからなぁ)
(そーだよな、リックは強いもんなぁ。だったらメナドちゃんがリックから離れた隙に)
(そんなの待ってたら、じいちゃん迎えにきちゃうぞ)
(そっかぁ。じゃあ赤組はパスして黒組はどう? バレスなら勝てるんじゃないか?)
(うーん、あの組にはろくな子がいないからなぁ)
 ちなみに、作戦名は『スカートめくり大作戦』、
 リーザス幼稚園の制服はセーラー服だから、女の子はみんなスカート着用なのだ!
 幼稚園児男子、ひいては小学生男子全員のはてしない挑戦だっ、漢(おとこ)のロマンだっ!
 そして、このリーザス学園では、いま果てしない戦争が勃発していた。それは、

『スカートめくり戦争』

 だあああっ!
 ルールは簡単、自分の組にいる女の子のスカートを守りつつ、他の組のスカートをめくれめくれめくれぇぇぇぇっ
 めくった後はお約束、
「やーい、やーい、○○ちゃんのパンツ、○○模様だー」
「もう、ランスちゃんのエッチ!」
 うーん、か・い・か・ん? 
 お昼寝タイムが終わった時、今日も今日とて熱い戦いが始まるのだ!

(やっぱり魔人組は強いよな。ケイブリスとかケッセルリンクとか)
(女の子まで強いもんなぁ、あそこは。でもさ、ホーネットちゃんのパンツみたいよね)
(ところで、そろそろせんせーいっちゃったんじゃないか?)
(お、そういえばそうだな)
 一言注意しておこう。ただいまランス君は一人作戦会議中だ。一人二役を演じているだけだっ
「そろそろいいかな・・・?」
 布団をまくってキョロキョロキョロ。いっつもランス君をみはってる先生も、どうやら職員室にいっちゃったかな?
 ようし、チャンスだ。
「バウンド、ソウル、二人ともこっちこっち。起きてるんだろ?」
 両隣の布団をポフポフと叩く。
「うん、おかしら。ちゃんと起きてるよ」
「えへへ〜、そろそろランスちゃんが来ると思ってたんだぁ〜」
 にじり寄ってくる二つの布団。片方にはバウンド・レス(5)とソウル・レス(4)。
 緑組を仕切っている三人のやんちゃっ子だ。ちなみにバウンドとソウルは兄弟で、どっちもランス君の子分なのだ。
 意外性はないけどこれでいいのだっ!
ランス (ようし、じゃあさっそく作戦会議だ。今日こそは魔人組に勝つからなっ)
バウンド(うん、おかしら。負けてばっかりだと悔しいもんね)
ソウル (でもでもぉ、さきにカスタム組をやっつけようよ。
      あたい、昨日ミリちゃんにスカートまくられちゃったんだもん。やられっぱなしは嫌だもん)
ランス (うーん、だったらカスタム組からやっつけようか? そういやまだ志津香のパンツみたことないしな)
バウンド(とりあえず、青組は全員めくったから、順番だったら白組じゃないかな)
ソウル (えー、アニキ、エクス君ってガードかたいもん。いついったって女の子の側にいるんだよ。
      とくにハウレーンちゃんのさぁ)
バウンド(だったらJAPAN組にする?)
ソウル (えぇー、だってあの組の制服ってまくりにくいよ?)
バウンド(そういえばそうだね)
 
 ここで一言解説だ!
 リーザス幼稚園は基本的にセーラー服だけど、JAPAN組だけは和服なのだ。和服もいいぞ、萌え萌えだぞー!

バウンド(ヘルマン組はハンティ(6)ちゃんが手強いし、ゼス組のカバッハーン(6)もやりてだね。
      うーん、おかしら、どうしようか?)
ソウル (そんなこといってるから、アニキはスカートめくれないんだよっ。
      ちょっとはランスちゃん見習って、自分で決めたらどうよ!)

 ここでまたまた解説だ!
 いまさらだけど、登場人物はみーんな幼稚園児だ!
 バレスだって、コルドバだって、リックだって、みーんなみんな毛も生えていないガキなんだ。
 顔にひげがあったって気にしない、気にしない?

ランス (まぁまぁ、ソウル、そんなに興奮するなよ)
バウンド(そうだよ、皆が起きちゃうじゃないか)
ソウル (うう、ごめん。気をつけるよ)
ランス (とにかく二人の意見はわかった。それじゃあ、結論だぞ?)
バウンド(えっ、おかしら、もう決めちゃったの? 一つ言いたいことがあったんだけどな)
ランス (後にしろよ、後にさ)
バウンド(でも、シィルちゃんのことなんだけど)
ランス (なにっ、シィルだって? シィルがどうしたんだよっ)

 ランス君、どうしたんだ慌てているぞ?
 そんなにシィルちゃんが気になるのかなぁ〜?
 ちなみにシィルちゃんことシィル・プライン(4)はランス君の幼馴染だ!
 ランス君が物心ついたころから、ずうっとランス君についてくる、妹みたいな可愛いヤツだ! 

バウンド(ほら、おかしらとシィルちゃんが仲がいいのは有名だろ?)
ランス (な、何いってるんだよっ 俺様はシィルなんてどうも思ってないぞっ)
ソウル (またまた・・・ランスちゃん真っ赤だ、やーいやーい)
 ポカッ
ソウル (いったぁぁ、ランスちゃんがぶったぁぁ・・・ ふえ、ふえええん)
ランス (ええい、泣くなっ、お前が悪いんだぞ。 ・・・で、シィルがどうしたんだよ)
バウンド(よしよし、泣くな泣くなよ? あ、そうだった、シィルちゃんだよね。
      ほら、ゼス組のマダム・ゴルチ(6)って転校生しってる?
      あいつがシィルちゃんのパンツを狙ってるって噂なんだ)
ランス (な、なにぃっ? 俺様のシィルのパンツを見るだって? ダメダメダメ、ぜってーダメっ)
バウンド(かなみちゃんがいってたことだから、結構本当くさいだろ?
      それにさ、おかしら。こいつも狙われてるらしいんだ)
ソウル (ふえっ、ひっく、ひっく・・・ アニキぃ、なんであたしを見てるの? なんか顔についてる?)
ランス (おい、まさかソウルも狙われてるのかよ? やったら生意気な転校生だな)
バウンド(なんでもすごいお金持ちの子らしくってさ。ほら、ヘルマン組ってみんな貧乏だろ?
      お菓子とかすごいの持ってきて、配ってさ。パメラ先生も頭が上がらないって聞いたんだ)
ソウル (ひっく、ひっく。ねぇねぇ、あたいがどうしたのさぁ)
ランス (チッ、そんな馬鹿がいるなら、おちおちスカートめくりにいけもしないぞ。こうなったら、予定変更だな。
      意地でもホーネットちゃんをおとすつもりだったけど、後回しだ! 今日はヘルマン組をやっつけるぞ!)
バウンド(さっすがおかしら! 緑組の女の子は守るんだねっ)
ソウル (なんだか分からないけど、ランスちゃんかっこいいよ!)
ランス (そうだ、俺様はかっこいいんだ。
      アールコートちゃんも、ラフェリアちゃんも、ソウルもシィルも、パンツを見ていいのは俺様だけだぜ!
      ようし、そうと決まればぐっすり眠って体力回復だ。野郎ども、気合入れて寝るぞ!)
バウンド&ソウル(おぉー! お休みなさーい)
 
 作戦会議は終了だ。今日の相手はヘルマン組かぁ・・・
 午後の戦いが始まる前の、リーザス幼稚園つかのまの静寂。
(マダム・ゴルチって生意気だ。スカートめくるだけじゃ気がすまないぞ。
 そうだ、俺様の必殺技《ランスアタックぱんつおろし》を試してやろうかな・・・
 シィルのパンツを見ていいのは、世界で俺様だけなんだからなっ)
 子供心に独占欲の大きいこと、大きいこと。ふう、男はこうでなくっちゃね。
 なんだかんだいって疲れたランス君、その横ではバウンド君もソウルちゃんもお休みだ。
 ぐうぐう
 すうすう
 ぐごがー、ぐごがー
 いったいどんな夢を見てるんだランス君? 涎をたらして幸せそうだぞ? ン、寝言でなにを言ってるのかな?
「へへへ、ホーネットちゃんのパンツ、クマさんパンツだ〜」
 ・・・子供って、いいなぁ・・・




・・・あとがき・・・
 長短篇 鬼畜幼稚園、いかがだったでしょうか?
 個人的には徹夜明けのハイテンションでどわわ〜とかけたので気に入っています。
 何よりも、豪華なキャストを登場させられるのがいいですね!
 もしかしたら、『緑組対魔人組』とか、『緑組対カスタム組』なんかを書くかもしれないです。
 いや、書きたいな〜、よし、書こう! とりあえず、ひとねむりしてから・・・書こうかな、ムニャムニャ。
 読んでくださった方、めちゃくちゃな文章に付き合ってくれてありがとうございます!
 また、気が向いたらこいつの文章を読んでやってくださいっ! (冬彦)





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