鬼畜幼稚園R




第一話 『ランス君逃げる!』



 ここはリーザス幼稚園の運動場だ。さっすが県内一の敷地を誇るだけあって、とってもとっても広いぞ、広すぎるぞ!
 遊具の数も半端じゃないぞ〜、ブランコ、滑り台、シーソー、なんでもありだっ。
 そしてここは『ロング滑り台』、滑ろうとしているのはピンクの少女、シィル・プライン(4)だっ。
 ランス君の幼馴染で、毎朝一緒に登校するくらい仲がいいのだ。そしてランス君は・・・
ランス「いっしっしっし、ここからだとシィルのパンツが丸見えだぜ!」
 朝礼が終わってすぐ、シィルをここまで連れてきたランス君。
 シィルをひとりで上らせといて、自分は真下で鼻の下を伸ばしているぞ。
 だけどランス君、どうして普通にスカートをめくらないんだ?
ランス「普通にめくってもなあ・・・もう飽きちゃった。たまには気付かれないでってシチュエーションもグッドだぜ」
 ・・・おいおい、その年齢でマニアックな・・・ だいたいシィルちゃんに気付かれていないと思ってるのか? 
シィル「ランス様、なにしてるんだろう。『一緒に滑るぞ〜』っていってくれたのにな」
ランス(シィルめ、なにやってんだ。さっさと滑ってこいよな、まったく・・・おっ、来るか?)
シィル「もしかしたら下で待っててくれるのかな? うん、多分そうだよね、えいっ!」
 シュルルルル〜
ランス「いまだっ、ナイスアングルだぜ! って、おおい! 手をあげろぉ!」
シィル「あっ、ランスさま〜。今行きますぅ〜」
ランス「だぁぁぁ、がっくり」
 しっかり手で押さえて、ゆっくりゆっくり滑るシィルちゃん。
 下にいるランス君からは・・・見えそうで見えない。
 落ち込むランス君にむかって、シィルちゃんがゆっくり降りてきた。ピョンと跳ねて、ランス君の横に着地だ。
ランス(むらむらむら)
シィル「ランス様、おまたせっ。ねえ、なにしてたの?」
ランス(むらむらむら)
シィル「ねえねえ?」
ランス「えーい、うるさいっ、てやぁっ!」
 ペロン
シィル「きゃっ、やだもう・・・」
 ちょっぴり赤くなって、周りを見回す。でもでも、なんだかあんまり嫌そうじゃないなぁ。
ランス「・・・ピンク色だな・・・」
シィル「うん・・・ ランス様、ピンク嫌い・・・?」
ランス「うぐっ・・・」
ランス(く、くそうっ! 全然嫌がらないじゃないか! だいたい俺様はピンクが大好きだぁ、
    ってなにいってんだ俺様! ああもう、なんだか俺様のほうが恥ずかしいじゃないかーー。うがあー)
 やーいやーい、ランス君顔が赤いぞー あっ、シィルちゃんも真っ赤だ。 
ランス「うぐぐぐ・・・ もういいシィル、あっちへ行くぞっ。ついてこい!」
シィル「うん、ランス様っ」
ランス(絶対いじめてやる、いじめてやる、いじめてやるぞっ。泣かす・・・のはダメだけど、泣く寸前までいじめてやるっ)
 いつも一緒にいるレス兄弟は、今日は風邪でお休みだ。
 なんでも、ゲンフルエンザのせいで、家族揃ってダウンしたそうな。
 おかげでランス君は朝からシィルちゃんと二人っきりだった。
ランス(そうだ、ナイスアイデアだ!)
ランス「ひらめいたっ」
シィル「ん? ランス様どうしたの?」
ランス「かくれんぼをしようか」
 ニヤニヤ笑って、考えてるのはアレだろ?
 シィルちゃんを鬼にして、隠れる振りして逃げちゃおうって魂胆だろ? 
ランス「俺様が隠れるから、シィルが鬼だ。十数えるまで目をつぶんなきゃダメだぞ」
シィル「いいけど・・・ ランス様先に帰ったりしない?」
ランス「ぐっ」
シィル「この前も、その前もそうだったもん。・・・ランス様どこにもいないから、シィル寂しくって怖くって・・・うぇっ、ひっく」
ランス「わ、わかった、わーかったよ! 先に帰ったりしない、約束する、だから泣くな? な、な?」
シィル「ホント?」
ランス「俺様が嘘をついたことあるか?」
 なーにをいまさら。嘘ついてばっかのくせに。あっ、でもシィルちゃんは泣き止んだぞ。
シィル「先に帰っちゃダメだよ? シィルを一人ぽっちにしないでよ?」
ランス(こいつ、やっぱり俺様のことよく分ってるな・・・ せっかくいじめてやる気満々だったけど、チッ、しかたない)
 コクリ
 あさっての方向を向いてうなずくランス君。
シィル「ありがと、ランス様!」
ランス「わっ、こら抱きつくな! あっちいけよっ」
シィル「ランス様ぁ〜」

・・・いやー、見てて微笑ましいですね〜 しばらくこんな感じのあと・・・

ランス「二人じゃ寂しいし、みんな呼ぶか」
シィル「うん、誰を呼ぼうか?」
ランス「そーだなー、バウンド達はいないしなぁ。あっ、リックとレイラだ、おーいレイラさーん」 
 通称『赤組の死神』リック・アディスン(5)。
 なんでも空手をやってるそうで、県大会幼年の部で一年前に優勝している。
 隣にいるのはレイラ・グレクニー(5)、おなじく空手をやっていて、相当に強いらしい。
リック「キング、どうしたの?」
レイラ「久しぶり、ランス君」
 リックがとっても嬉しそうだぞ。ちなみにランス君とリックは一度だけ喧嘩をしたことがある。
 脱線ついでだ、ほんのちょっとだけ『死闘! ランス対リック』だ。


 時は半年前、場所はリーザス幼稚園運動場。
ランス「こ、この野郎、もう終わりかっ」
リック「ふう、ふう、なんて打たれづよいやつだ・・・」
ランス「うがあっ、リックめ、いくぞぉ!」
 喧嘩のきっかけは、ランス君の悪口。
 空手大会に優勝して、一躍リーザス幼稚園最強扱いになったリックに、
 『俺様よりは弱い』だの『試合で強くても喧嘩は弱い』だのと挑発するランス君。
 始めは聞き流しているけれど、だんだん腹が立ってくるリック。
 そのうち、『空手は弱い』といわれて喧嘩になってしまった。
 ポカポカポカポカ
 すごい速度で手を回し、ランス君をめったうちにするリック。
 ランス君も負けじと手を出すけれど、あたらない。
 そうこうするうちに、ランス君は何回か倒れ、リックの息も上がっていた。
 周りにはいつの間にか人だかりができていて、シィルやレイラも中に混じっていた。
 先生は、といえば、子供たちに混じって見物している。
 ガンジー園長の、
 『喧嘩をするほど仲がいい』というモットーのため、弱いものいじめでない喧嘩は、基本的にほっておくのだ。
リック「この、このこのこのぉっ」
ランス「ごあっ、いてっ、くっそぉ!」
 ボコボコである。リックにはあまりに隙がない。幼稚園児のくせに・・・
ランス(ちっくしょう、こいつなんて手数だよ・・・
    できればこの手は使いたくなかったけど、そんな事もいってられないなぁ・・・)
――いっけー、リックちゃん!
――負けるな、ランスちゃん!
――頑張れリックちゃん、エッチランスをやっつけろぉ!(by志津香)
 外野の応援。そして、ランス君の女の子達の視線。シィルの視線。
ランス(負けられないぞ・・・ チャンスは一瞬だ!)
リック「ふう、ふう、どうしたっ。降参かっ!」
ランス「あっ、マリス先生!」
 あらぬ方向を指差して大声を出すランス、これにはリックもびっくりだ。
リック「えっ、マリス先生? どこっ?」
ランス「いまだ、ランスパーンチ!」
リック「げふうっ」
 リックの背後を指差して叫んだ一言で、リックは完全に隙だらけになった。
 何しろ、ランス君に背中を見せてしまったのだ。そこにランス君が飛び掛って、お腹に一発。
 後でリック自身が言っていたけれど、あれほど重いパンチは始めてだったとのこと。
 それ以来、ランス君のことをキングと呼ぶリックなのだ。
 ちなみにこれはシィルしか気付いていないことだけれど、
 ランス君は地面から立ち上がる時に、小石を握っていたそうな・・・


リック「ねぇ、もしよかったら、いつか道場に来てよ。それで僕と試合してよ」
ランス「またそれか・・・ い・や・だ。俺様は自分より弱いやつとは喧嘩しないんだ、なぁ、シィル」
シィル「え? う、うん」
 とまどいつつも頷いてみる。
 嘘だと分ってるけどね、頷いとかないと、ランス君膨れちゃうもんね。
レイラ「そんなことより、なんの用事?」
ランス「そうだった。なぁ、いま二人とも暇か?」
レイラ「これから二人で『型』の練習でもしようかなってところ。でも、なんで?」
シィル「もしよかったら、みんなでかくれんぼしようって、ランス様と・・・ひんっ」
 シィルちゃんの頬っぺたをランス君がつねった。
ランス「俺様の話に割り込むなよ! まあ、そーゆーわけで、かくれんぼしようぜ」
リック「かくれんぼか・・・ いいね。レイラさんも、別にいいよね?」
レイラ「えっ、あっ、うん。いいよ(リックと二人っきりになれるって思ってたけど、まあいいか)」
ランス「決まりだな! これで四人だ、ほかには誰かいないかな・・・」
 キョロキョロ
シィル「あっ、ランス様、あそこにカスタム組のみんながいるよ」
 シィルちゃんが指差したほうに目をやると、志津香やマリア、ラン、ミルといった面々が歩いている。
リック「あそこにもいるよ」
 リックが気付いたのは黒組のバレス・プロヴァンス(6)と白組のエクス・バンケット(5)、
 そしてハウレーン・プロヴァンス(4)。
 一言付け足しておくと、バレスとハウレーンは従妹同志。
 こっちを見ているリックに気がついて、エクス達はランス君達に近づいてきた。
ランス「シィル、お前マリアちゃんたちを呼んで来い」
シィル「うん、分った」
 シィルをカスタム組連中の勧誘にいかせる。
ランス(マリアやミルはともかく、志津香は俺様がいったとたんに噛み付いてくるからな)
 シィルと入れ違いに、エクス達がやってきた。エクスは三歳の時から塾にかよっていて、実に真面目な性格。
 格闘系のリックとは接点がないはずなのに、二人はとっても仲がいい。
エクス「やあ、珍しいね。リックがランス君といっしょにいるなんて。どうかしたの」
リック「うん、これからかくれんぼして遊ぼうってさ、キングが誘ってくれたんだ」
バレス「おお、それはいいですな! この様に暖かい日には外でかくれんぼをする・・・なんと園児らしい提案・・・
     わたくしは嬉しいですぞっ、ランス殿っ」
ランス「ええい、ひっつくなっ」
 ポカリ
バレス「ランス殿、つれないですぞぉー」
ランス「うるさいっ! 俺様は男は嫌いだ、とくにしつこい男はなっ」
バレス「ううぅ、努力しますぞぉぉ」
ランス「・・・じいちゃんみたいな目をするなよ・・・ 馬鹿はほっとく。で、エクスはどうだ? 一緒にやろうぜ」
 頭を抱えているバレスは無視だ。エクスに向き直る。
エクス「ハウレーン、どうする? 僕はリックがやるんならやろうろとうけど」
ハウレーン「わ、わたしもエクスちゃんと一緒に遊びたい、な」
エクス「じゃ、決まり。リック、レイラ、ランス君、僕達もよせてもらうよ」
ランス「これで俺様いれて六人だな。あとはカスタム組が入って、十人か。いい感じだぜ」
レイラ「え・・・? エクスくんたちがはいって七人じゃない?」
バレス「そうですぞ、儂を入れて確かに七人ですぞ」
ランス「お前数えてない」
リック「キング、それはあんまりじゃ・・・」
ランス「俺様はジジイが嫌いだ」
バレス「ジジイって、儂はまだ六歳・・・」
ランス「最年長じゃねぇか。ジジイだ、な」
バレス「・・・」
 バレス、落ち込むなよ。そんなに悲しい顔するなよ。
 手で地面に落書きするなよっ、上目遣いで見るなよっ、『の』の字なんかを書くなぁぁぁ!
 

 そのころのシィルとカスタム組。
 そう、ランス君とカスタム組はあんまり仲がよくないけれど(とくに志津香)、シィルは何故か仲良しなのだ。
 まあシィルちゃんは素直だもんね〜、誰かさんと違ってね〜
シィル「・・・というわけだよ。どうかな、皆でかくれんぼしない?」
志津香「えーっ、なんでエッチランスとかくれんぼなんかするのよっ」
ミル 「俺は別にいいよ。外で遊ぶ方が図書館よりずっといいね」
ラン 「エッチなことしないんだったら・・・あたしはいいよ」
志津香「ちょ、ちょっと、なにいってんのよ! 図書館で絵本見ようっていってたでしょ!」
ミル 「俺さー、本って苦手なんだよね〜。どうせなら走ってるほうがいいよ。ってことで、悪いけどパス。ごめんね」
ラン 「あたしは絵本もいいんだけど、ほら、とってもいいお天気だし」
志津香「マリア、マリアはどうなのよ」
マリア「うーん、あたしは、別にランスちゃんと一緒でも、いいかな」
 マリアの顔がちょっぴり赤いぞ! 
志津香「はぁぁー、なんでみんなエッチランスが嫌いじゃないのよ〜」
ミル 「スカートめくりくらい、させとけばいいじゃないか。いつか俺が『ズボン下ろし』きめてやるからさ」
ラン 「はっきり嫌っていったら、ランスちゃん、めくらなくなるよ?
     ランがこの前嫌だって言ったら、ランのパンツ見なくなったもん」
志津香「じゃ、じゃあ、なんであたしはいっっつも追いかけられるのよぅっ。ちゃんと嫌だっていってるのに!」
ミル 「志津香を追いかけるのが楽しいんだよ、きっと」
志津香「ううう・・・ そうだっ、マリアはどうなのよ! いっつもパンツ見られて悔しくないのっ?」
マリア「えへ、へへへ。あたしは、もう慣れちゃったから、気にしてないもん」
志津香「うぅぅぅー」
 案外ランス君、嫌われてないんだね。それどころかマリアはランス君のことがまんざらでもないみたいだぞ。
志津香「はあぁぁ。はいはい、分りましたよ、あたしも行くわよ、いけばいーんでしょっ。
      あたしがついてないと、マリアやランが何されるかわかんないもんね」
シィル「えーと、結局どうする? 一緒にかくれんぼ、ダメ?」
ミル 「オッケーだよ。ねっ、みんな。じゃ、いこうか」
ラン&マリア「うん」
志津香「はあぁぁぁ・・・」
 

ランス「おっ、やっときたか」
レイラ「そうだね。四人ともきたみたい、よかったねランス君」
ランス「当然だ! 俺様の誘いを断ったらただじゃおかないからな!」
エクス「ほう・・・どうするんですか?」
ランス「男だったら泣かす。女だったら脱がす」
ハウレーン「なっ!」
ランス「なーんてな。冗談だ、ハウレーンちゃん」
リック&レイラ(冗談なのかな???)
エクス(ランス君のことはよく知りませんが、多分・・・本気だったんでしょうね)
ハウレーン「ほっ、よかった」
バレス(儂も・・・脱がしてくれてよいですぞー)
 バレスってこんなキャラだったか? まあいいさ、気にしないったら、気にしないっと。
エクス「ところでランス君、たしかかくれんぼ、でしたよね?」
ランス「あん? それがどうした」
エクス「こんなに広い幼稚園では、かくれんぼはやりにくくないですか?」
ランス「なにー? エクス、俺様の提案にケチをつける気か?」
エクス「いえ、そうではなくて。もしもランス君が鬼になったら、みんな見つけられるかもしれないですけど、
     たとえばシィルちゃんが鬼になったら大変ですよ?」
ランス「むむむっ」
リック「確かに。エクスの言うとおりですよ、キング」
ランス「・・・だったらどうするんだよ」
エクス「『泥警』はどうですか? あれだとこのくらいの人数にピッタリと思うんですが?」
レイラ「『泥棒チーム』と『探偵チーム』に分かれるやつ? うん、いいかも!」
ランス「ふん、確かにそうだな、そっちの方がいいな。ようし、じゃあそれでいこう!」
ランス(泥棒・・・盗賊の方が響きがいいな。ランス盗賊団・・・おおっ、なんだかかっこいいぜ!)
シィル「ランス様ぁー、連れてきましたー」
志津香「はいはい、来てあげましたよーだ」
ミル 「ひさしぶりだな、かくれんぼなんて」
ラン 「ランスちゃん、エッチなことしないでね」
マリア(結局来ちゃった。なんだかんだ言って、あたしって、ランスちゃんが好きなんだな〜)
シィル「ランス様っ、これからどうするの?」
ランス「うむ、人数も揃ったし、かくれんぼをやめて『盗賊とボンクラ警察』をするぞ!」
ランスとエクス以外「『盗賊とボンクラ警察』???」
エクス「要するに、『泥警』、別名『ケイドロ』ですか?」
ランス「そーだ! 今日からは『盗賊とボンクラ警察』だっ。さっそくチーム分けするぞー。
     ようし、面倒だから、いいだしっぺのエクスが決めろ。言っとくけど、俺様は絶対盗賊だからな」
 大威張りのランス君。そうだね、ランス君は悪い人を捕まえるって柄じゃない・・・
 ウグググ、何も言ってませーん。
ミル 「いいね、楽しそうだ」
志津香「あたしはランスと違うチームにしてよ」
マリア「・・・あたしはランスと一緒でいい」
シィル「ランス様・・・」
レイラ「ねぇ、リ、リックと一緒じゃダメかな?」
リック「? レイラさん? べ、別に僕はいいよ」
バレス「儂は、ランス殿と・・・」
ランス「エクス、こいつは警察にしろ」
バレス「はうあっ!」
ハウレーン「あたしは、できればエクスとがいい」
ラン 「どっちでもいいよ」
エクス(はいはい。だいたい僕の予想通りになりましたね)
エクス「じゃあ、発表しますねー。まずは泥棒チームですが・・・イテッ!」
ランス「盗賊だ、ラ・ン・ス。盗賊団」
エクス「うぐぅ、で、ではランス盗賊団。ランス、マリア、シィル、ラン、ミルの合わせて五人。
     ボ、ボンクラ警察でしたか? えーと、バレス、リック、レイラ、志津香、ハウレーン、僕っと。
     こんな感じでどうですか?」
ランス「いいぞ。エクス、なかなか上手く分けたじゃないか。俺様以外全員女ってのが実にいい、グッドだぜ!」
エクス「ははは、ありがとう。それじゃあ刑務所は、あのジャングルジムでいいね?」
志津香「うん、いいんじゃない? あそこに閉じ込められたランスって、ちょっと楽しいかも・・・」
ランス「けっ、志津香に俺様が捕まるかっつーの」
シィル「あのう、エクスちゃん。泥棒が・・・ひん」
 ポカ
ランス「盗賊だぞ」
シィル「しくしく・・・ と、盗賊って、背中を三回連続で叩かれたら逮捕されるんだったっけ?」
エクス「うーん、いろいろルールがあるみたいですが・・・ そうしましょうか。
     では、三回連続タッチで逮捕にしましょう。脱獄は、誰かがジャングルジムにタッチしたら成立ということで。
     時間切れはお昼ご飯のチャイム、でいいですよね?」
ランス「うむ、グッドだ! なあ、マリア」
ランス「うん、いいと思うよ」
リック「では、はじめましょうか。キング、手加減はしませんよ!」
ランス「ふんっ、望むとこだぜ! 三十秒経ったら追っかけていいぞ。
     そらっ逃げるぜ! みんな俺様について来い! 逃げろ逃げろ、にーげろっ」
シィル達「ランスちゃーん、まってよーう」
ランス(わはははは、追っかけるのも楽しーけど、追っかけられるのもたまにはいいなー)
 いいねっ、実に子供らしくてイイ! 元気に外を駆け回る、ランス君、かっこいいぞ〜
ランス(そうだ、もし逃げ切ったら罰ゲームでみんなをいじめてやるか!
     そうだな、志津香には俺様のことをランス様って呼ばせてやろう。リックには・・・帽子を取ってもらおうか。
     アイツ、いつでも『忠』とか書いた帽子かぶってるからな、いっぺん髪型がみたかったんだ。
     バレスは・・・相手にしないでおこう、つけあがる。エクスは・・・あっ、しまった)
 ん? どうしたランス君?
ランス(シィルを警察にしとけばよかったぜ〜。そしたら罰ゲームでいじめてやれたのにな〜、ふー、まぁいいや)
 暖かい太陽、元気に響く子供達の声。リーザス幼稚園はきょうも元気がいっぱいだ! 
リック「よしっ、三十秒経ったぞ!」
エクス「ええ、それでは三組に分かれて追いましょう。リックとレイラさん、志津香ちゃんとバレスさん、ハウレーンと僕。
     いいですね? 僕達が牢屋をジャングルジムを見張ってますから、捕まえる役は任せましたよ?」
志津香「なんだか楽しくなってきた・・・
     ええ、まかせといて! あのエッチはずぇぇったいあたし達が捕まえてやるんだから! ねっ、バレスさん」
バレス「うむ、がんばりましょうぞ」
リック「じゃあ、エクス、ハウレーンちゃん、後は任せたよ。僕達は滑り台の方にいくからね」
バレス「こっちは噴水の方から攻めますかな。では志津香君、いくぞ!」
志津香「おぉーっ」
 走り出す志津香とバレス。志津香がキラキラ輝いているぜ!
レイラ「リック、あたしたちも」
リック「うん、じゃあエクス、後は任せた!」
 走り出すリックとレイラ。レイラさんも輝いてるぜ!
レイラ(リックと二人きりで『型』の稽古っていうのもいいけど・・・こっちの方が断然楽しいわ!)
ハウレーン「いっちゃったね」
エクス「ええ。みんな普段はこういう遊びはしないのですけれど、楽しそうでしたね」
ハウレーン「でも、エクスだって、こういうことあんまりしないよ?」
エクス「ふふふ・・・ まあ、たまにはいいじゃないですか? それよりも、ランス君が捕まるかどうか、楽しみですねぇ」
 頑張れ、ランス盗賊団! 頑張れ『ボンクラ警察』! 戦いは今始まったばかりだ!




・・・あとがき・・・
 SS 鬼畜幼稚園R いかがでしたでしょうか。
 ホントは『泥警』なんてするつもりなかったんですが、ついついやってみたくなってしまい・・・
 次、『泥警』本番にするつもりです。逃げ切れるのか、ランス君? 強いぞ、エクス警察団! 
 ってな具合になればいいです。ここまで読んでくださった方ヶ、メチャメチャ感謝してますっ。
 次もよろしくお願いしまっす! 



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